お元気ですか。近況報告と来年の写真展と出版の案内をお送りします。 2011年3月13日まで San
Jose Museum of
Art サンホセ美術館 (アメリカ) 私は昨年カリフォルニアのサンホセ美術館より同市のジャパンタウン(日本人街)を題材として作品を制作する依頼を受けました。ジャパンタウンと関係があるものなら何を撮影しても良いと言われサンホセ・ジャパンタウンを訪れてみましたが、3ブロックほどの商店街があるだけでその外見はアメリカのどこででも見られる普通の街並みです。歩き回ってみても特に撮りたいものも見当たらないので、紹介されたジミー・ヤマイチ氏に会うことにしました。彼はJapanese
American Museum of San
Jose(サンホセ日米博物館)という小さなコミュニティー博物館のディレクターです。博物館といっても木造2階建ての小さな建物でその時は改造中だったため建物の中は空っぽでした。代わりに連れて行かれたのはすぐ後ろにあるガレージ。中に入ってみると埃だらけの段ボール箱が無造作に一杯に積み重ねられています。その一つを開けてみました。中に美しい小さなブブローチが入っていました。良く見るとそれは小さな貝でできています。ジミーさんは、「これは第2次世界大戦の時に日系人強制収容所の中で作られたものだ。収容所の多くはドライレーク上に作られたが、そこは大昔海の底だったので掘ると貝殻がでてくる。収容所の中に入れられた日系人は外に出ることが許されなかったので、そこで見つけられるものを使って色々なものを作り、長い「我慢」の時間をすごした。その収容所に入れられた同胞の多くがまだこのサンホセに住んでいる。」と教えてくれました。私は、ではこの箱の中に入っている沢山の「もの」のなかにサンホセの日系人の歴史と感情が凝縮されているに違いないと思い、箱をひとつひとつ開けてその「もの」の写真を撮ることにしました。 結果として19点の写真を私は作りましたが、その全てがサンホセ美術館に購入され、その内9点が現在パーマネントコレクション展「DEGREES
OF SEPARATION: CONTEMPORARY PHOTOGRAPHY FROM THE PERMANENT
COLLECTION」の中で展示されています。

2011年1月4日に同美術館によって私の作品のためのレセプションが午後6時から行われます。
ジミー・ヤマイチ氏は収容所にいた日系人の一人ですが(もうすぐ90才になります)彼の話によると、同じようなものを収容所が閉鎖されたとき(65年前)に沢山の人が捨ててきたということです。興味があるなら案内すると言ってくれたので、来年に彼と一緒に発掘撮影旅行をする予定です。
One
Picture Book “Love Point” from Nazraeli
Press 今年1月に「ラブ・ポイント」が冬青社から出版されましたが、アメリカ版“Love
Point”が、ナズラエリ・プレス社からワン・ピクチャー・ブック・シリーズとして近日中に出版されます。(限定500部/サイン入りオリジナルプリント付) 日本では、東京神宮前の写真集洋書専門店シェルフ(Tel.03-3405-7889)が現在予約を受け付けています。(以下リンク参照) www.shelf.ne.jp/forth/forth1.html
2011年1月13日から17日までアメリカ、ロサンゼルスで行われる「Photo
LA」の会場でナズラエリ・プレスのブースにおいて「ラブ・ポイント」のプリントが展示される予定です。Photo
LA, Santa Monica Civic Auditorium, 1855 Main Street, Santa
Monica, CA. www.photola.com/ 2011年2月19日— 4月2日 「Love
Point」 写真展 Kopeikin
Gallery (ロサンゼルス)
2766 S. La
Cienega Blvd. Culver City, CA. 90034 tel. (310) 559-0800 http://www.kopeikingallery.com/
Venice in
Peril 「ヴェニス・イン・ペリル」
(直訳:危機に面したヴェニス) (同団体ウェブサイトから抜粋翻訳)「ヴェニス・イン・ペリル」は、長期的視野に立って、モニュメントとしてのヴェニスの研究と復興、そして住民の生活のコミュニティーとしてのヴェニスを守ることを目的として、1966
年の大洪水の後にイギリスの前駐イタリア大使Sir Henry Ashley
Clarkeを中心に設立されました。その後、ヴェニス・イン・ペリル基金はヴェニスの歴史的建造物や芸術作品の保存のため数百万ポンドを支出しています。同基金は都市の生態系と人口問題、社会経済活動の課題に対しても、現実的かつ持続可能性のある答えを見つけるために取り組んでいます。 www.veniceinperil.com/ 私はこのヴェニス・イン・ペリル基金からの依頼を受け、今年10月にヴェニスでの撮影を行いました。このプロジェクトに招待され参加した写真家は以下の通りです。 Nan
Goldin, Philip-Lorca diCorcia, Candida Höfer, Hiroshi
Watanabe, Lynne Cohen, Dionisio Gonzalez, Tiina Itkonen, Mimmo
Jodice, Jules Spinatsch, Pierre Gonnord, Robert Walker, Tim
Parchikov and Matthias Schaller.
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